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令和 2年 決算審査特別委員会(文教分科会 第1日)-09月18日-04号
令和 2年 決算審査特別委員会(まちづくり分科会 第1日)−09月18日-08号

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  1. 川崎市議会 2020-09-18
    令和 2年 決算審査特別委員会(まちづくり分科会 第1日)−09月18日-08号


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    令和 2年 決算審査特別委員会まちづくり分科会 第1日)−09月18日-08号令和 2年 決算審査特別委員会まちづくり分科会 第1日) 決算審査特別委員会記録まちづくり分科会 第1日) 令和2年9月18日(金) 日程  1 議案の審査    (まちづくり局)   (1) 議案第133号 令和元年度川崎市一般会計歳入歳出決算認定について           (まちづくり局の所管分)  2 その他 出席委員 (11人)  市古次郎  堀添 健  大島 明  青木功雄  矢沢孝雄  かわの忠正
     浦田大輔  露木明美  石川建二  月本琢也  秋田 恵 出席説明員  (まちづくり局)  まちづくり局長                     奥澤 豊  まちづくり局担当理事総務部長事務取扱         矢島 浩  計画部長                        榛澤昌利  交通政策室長                      定山武史  登戸区画整理事務所長                  石井芳和  拠点整備推進室長                    藤原 徹  施設整備部長                      木村弘一  指導部長                        白井章雄  庶務課長                        小田島宏明  企画課長                        塚田雄也  都市計画課担当課長                   小松佳則  交通政策室担当課長                   藤野貴司  交通政策室担当課長                   北村岳人  地域整備推進課長                    小池智也  防災まちづくり推進課長                 樋口真紀  登戸区画整理事務所担当課長               大場孝浩  拠点整備推進室担当課長                 沖山浩二  拠点整備推進室担当課長                 武藤智則  施設整備部担当課長長寿命化推進担当)         佐々木朗子  宅地企画指導課長                    重森智一  (総務企画局)  危機管理室担当課長                   森 真二  (建設緑政局)  自転車利活用推進室担当課長               中田智之  (幸区役所)  道路公園センター整備課長                小松 正                 午前10時0分開会 ○市古次郎 会長 ただいまからまちづくり分科会を開会いたします。  私が、本分科会の会長を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  お手元のタブレット端末を御覧ください。本日の日程は、まちづくり分科会日程のとおりです。(資料編28ページ参照)  なお、本日の分科会は、まちづくり分科会審査発言要旨の発言順序により進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。(資料編29ページ参照)  それでは、まちづくり局関係の議案の審査を行います。  議案第133号、令和元年度川崎市一般会計歳入歳出決算認定についてのうち、まちづくり局の所管分を議題といたします。  なお、関係理事者として、総務企画局から森危機管理室担当課長が出席しておりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、矢沢委員から発言を願います。 ◆矢沢孝雄 委員 おはようございます。それでは、早速ではございますけれども、順次質問をさせていただきたいと思います。  まず初めに、10款2項2目計画調査費の路線バス走行環境改善委託料について伺います。平成30年3月の都市計画道路網の見直し方針の改定に基づいて、公共交通の強化に向けた道路改良方策として、野川柿生線をはじめとしたモデル路線を選定して取組が進められております。また、総合都市交通計画においても交通施策の一つに掲げられておりますが、令和元年度決算内容ではその一環として路線バス走行環境改善委託料として528万円が費用計上されております。バスベイの設置、交差点の改良、こういった調査検討を行ったとされておりますが、具体的な内容と今後のスケジュール、取組を伺います。 ◎小松佳則 都市計画課担当課長 路線バス走行環境改善についての御質問でございますが、昨年度の委託内容につきましては、交通渋滞を緩和させる等の効果を目的としてモデル路線に選定した野川柿生線において、向丘中学校下停留所バスベイ整備に向けた基本設計や都市計画道路久末鷺沼線の子の神交差点の改良工事の検討などを実施したところでございます。今後の取組等といたしまして、向丘中学校下停留所の整備につきましては、今年度詳細設計を取りまとめ、来年度の工事着手を目途に取り組んでまいります。また、向丘出張所停留所バスベイ整備の課題である出張所駐車場の代替機能の確保や路線バスの円滑な運行に影響を与えていると考えられる蔵敷交番前、平瀬踏切西側交差点の改良について、引き続き早期の効果発現に向けて関係部署と協議調整を行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆矢沢孝雄 委員 ありがとうございました。川崎縦貫鉄道計画によって新駅の設置が想定されていた地域、特に宮前区の場合は今3つしか駅がないわけなんですけれども、もともと新駅の設置が想定されていたというのは、やはりその需要が見込めたからこそ選定をされていたわけであって、現在は鉄道不便地域となっております。駅周辺に公共機能、行政機能をはじめ様々な都市機能を集約、地域の拠点形成といったまちづくりのコンパクト化といった方向性の中で、こういった地域に対する都市交通機能は今後さらに充実と強化を目指すべきだと考えております。今回のバスベイ設置や交差点改良などの事業自体は大変重要であって、ぜひスピード感を持って推進をしていただきたいと思いますが、鉄道計画と比較すると大変小規模な事業と言わざるを得ないと考えております。ある程度の資源を集中して二の矢、三の矢、そういった積極的な交通環境の充実に資する事業を計画して進めていくべきだと考えますが、まちづくり局長に見解を伺います。 ◎奥澤豊 まちづくり局長 交通環境の充実についての御質問でございますが、本市では、身近な地域の交通を支える公共交通ネットワークの充実や周辺都市と連携した鉄道ネットワークの形成などに重点を置き、総合都市交通計画に基づく取組を進めているところでございます。北部地域におきましては、鷺沼駅周辺再編整備登戸区画整理事業、横浜市高速鉄道3号線の延伸、都市計画道路の整備などの事業が進められており、こうした新たな基盤整備などを契機として、走行環境の改善を含め、効率的かつ効果的な公共交通ネットワークの形成に向け、取組を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆矢沢孝雄 委員 要望でございますけれども、今回答弁をいただきましたバスベイの設置、交差点改良、こういった取組は、今、野川柿生線の向丘地区から溝口にかけて非常に混雑をしていますので、今回、神木本町交差点の近く、向丘中学校下停留所の部分についてはバスベイの設置のめどが立って、来年度工事着手といった答弁もいただきましたので、そういった対策の一つとして、ここは順調に進めていただくようお願いしたいと思います。向丘出張所についても、今、在り方検討が進んでおりますが、ぜひ、このバスベイの設置は交通渋滞対策としても効果があるというふうに思われておりますので、こちらのほうと在り方検討を、在り方検討の部分を待ってバスベイになってしまうとかなり時間がかかってしまう事業になってしまいますので、ぜひ早期の効果発現、この部分に注力していただいて事業を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次の質問に移らせていただきます。10款4項4目施設整備費、長寿命化整備関係について伺ってまいります。昨年度、約26億2,000万円が公共施設の長寿命化の設計や工事として費用計上されました。長寿命化関連工事も含めて、外注は施設整備部が発注する工事請負発注と原局部局が発注する整備委託発注に分かれており、約26億2,000万円のうち31.3%に当たる約8億2,000万円が整備委託として原局発注となっております。整備委託として発注されている具体的な案件を見ると、中身は工事と呼べるような案件が実際は委託として発注されている実態があるのではないかと考えられます。工事請負と業務委託の違いをどのように考えられているのか、教えていただきたいと思います。加えて、この工事請負と業務委託の責任分界点の違いに対する見解を伺います。また、工事案件とも取れる内容を業務委託として発注している実態はないのか伺います。あわせて、具体的にどういったポイントで、工事案件と業務委託案件を区別しているのか伺います。 ◎佐々木朗子 施設整備部担当課長長寿命化推進担当〕 長寿命化についての御質問でございますが、初めに、長寿命化推進事業における請負工事と業務委託の考え方につきましては、建物の屋上防水や外壁改修、設備の主要構成部及び周囲の配管などを含めたシステムの更新を伴う改修、大規模な修繕などで詳細な設計を必要とするものは工事で対応しております。また、分解、洗浄、修理、部品交換などのいわゆるオーバーホールや機器の交換など、機能の回復を図る整備に該当するものは委託で対応しております。実施に当たりましては、整備の内容に応じ、適切かつ効率的な手法を検討し、設計を必ずしも必要としないものにつきましては迅速な対応が可能となる委託を積極的に活用しております。次に、責任分界点につきましては、工事や委託の成果品が契約どおりにできていなかった場合の責任について、川崎市契約規則第55条に契約不適合責任として定められており、違いはないものと考えております。以上でございます。 ◆矢沢孝雄 委員 ありがとうございました。この質問をする前まで、工事請負と委託で責任分界点に差がないという認識では私はなかったので、この答弁をいただいて、工事請負と委託で責任分界点の違いがないのだと改めて教えていただきました。さらに、設計を必ずしも必要としないものについては、迅速な対応が可能となる委託を今も積極的に活用しているといった答弁がありました。業務委託を多用せざるを得ない状況については、施設長寿命化の大きな方針の中でオーバーホール的な事業が増加してきたことが要因の一つであるわけでございますが、一方で、入札といった観点で見ると、業種登録さえしていれば基本的に応札ができてしまう制度でもございますので、課題があると考えております。そこで伺いますが、これまで、平成25年度から業務委託の事業においても屋外清掃の業種においては、主観評価項目制度を導入してきた経緯がありました。委託を積極的に活用するのであれば、これまで主観評価項目制度の目的自体に御理解をいただいて成長してきた市内事業者が応札しやすい仕組みづくりが必須だと考えますけれども、まちづくり局長に関係局との連携も含め、見解と今後の取組を伺います。 ◎奥澤豊 まちづくり局長 業務委託についての御質問でございますが、長寿命化施設への迅速な対応を図るためにも、引き続き業務委託を積極的に活用していく必要があると認識しておりますので、その課題と対応について検討してまいりたいと考えております。今後、主観評価項目制度の活用や、委託内容に沿った業種において登録した市内業者が応札しやすい仕組みについて、関係局と連携を図りながら検討してまいります。以上でございます。 ◆矢沢孝雄 委員 ありがとうございました。要望でございますけれども、これまで例えばオーバーホール的な作業において、原局がこれをやらなければいけないなといったときに、様々上から下までやれる大きな市内業者に見積依頼をされても、結果としてそれが設計を伴わないものであれば、業務委託として発注をしてしまって、業務委託のほうには基本的には主観評価項目制度が導入されていませんので、一部ありますけれども、そういったところに関しては様々な業者が応札をしています。しかし専門性が本当に求められるような工事に関しては、私たち市民の感覚としては、そういった専門でやっていただける、そして能力を持った、さらには主観評価項目制度の目的に沿って、これまで社会貢献であったり市内事業に協力をしていただいた事業者が応札しやすい仕組みというのは重要だと思いますので、ぜひこの取組を進めていただいて、形にしていただければと思います。質問は以上です。ありがとうございました。 ◆浦田大輔 委員 おはようございます。私も通告に従いまして順次質問をしてまいります。  最初に、10款1項1目、川崎駅周辺既存ストック活用事業補助金2,397万4,000円について伺ってまいります。本事業は、空地や空きビルが多く見られるなど、まちの活力の低下等の課題がある川崎駅東口の本町地区周辺や日進町地区周辺等を、既存ストックを活用したにぎわいの創出を図るエリアと位置づけ、リノベーションによるまちづくりを進める事業とのことですが、取組状況と効果を伺います。 ◎沖山浩二 拠点整備推進室担当課長 川崎駅周辺既存ストック事業についての御質問でございますが、本事業につきましては、インバウンドビジネスの普及促進にもつながるまちのにぎわい創出等を目的に遊休不動産の有効活用を行うもので、取組状況といたしましては、昨年度は2回の募集を行い、外国人向けゲストハウスや和菓子教室、切り子ガラス細工の教室など、7件のリノベーション工事等への補助を実施したところでございます。事業による効果につきましては、対象エリア内に複数の事業を連鎖的に実施することで、段階的にまちが活性化していると認識しております。以上でございます。 ◆浦田大輔 委員 ありがとうございます。対象エリア内に複数の事業を連鎖的に実施することで、段階的にまちが活性化していると認識しているとの御答弁でございましたが、川崎駅周辺エリアの良好な環境や価値の維持向上に向けたエリアマネジメントをぜひともよろしくお願いいたします。また、御答弁でインバウンドビジネス普及促進を目的の一つとしておりますが、現在、コロナ禍の終息の見通しが立たない今、外国人観光客の集客が見込めない状況でございますので、今後の取組について伺います。 ◎沖山浩二 拠点整備推進室担当課長 今後の取組についての御質問でございますが、本事業につきましては、遊休不動産を地域の重要な資源としてリノベーション等により新たな価値を生み出す取組でございまして、コロナ禍における今後の取組につきましては、様々な利用ニーズや時代の要請に応じたサービス等を見極めながら、関係局と連携し、着実な事業の推進を図ってまいります。以上でございます。 ◆浦田大輔 委員 ありがとうございます。御答弁で、関係局と連携し、着実な事業の推進を図っていくとのことですので、地域と連携したマイクロツーリズムの推進にもつなげていただければと思います。また、同事業をキングスカイフロント周辺地区においても展開すると伺っております。今回このキングスカイフロント周辺地域を本事業の対象地域とした理由及び期待する効果を伺います。 ◎沖山浩二 拠点整備推進室担当課長 本事業の対象エリアについての御質問でございますが、羽田連絡道路の開通により、川崎駅に加え、殿町地区が羽田空港から川崎市内への新たな玄関口となることから、連携した相乗的な事業推進を図るため、本事業の対象地区に殿町地区を加えるなどの制度の見直しを実施してきたところでございます。その効果につきましては、昨年度に殿町地区においてもゲストハウスのリノベーション工事が実施されたところでございまして、今後も引き続き隣接するキングスカイフロントと連携を図りながら、にぎわい創出に向けた取組を推進してまいります。以上でございます。 ◆浦田大輔 委員 ありがとうございました。キングスカイフロントは、陸海空全てのルートが充実している国際戦略拠点で、今後、羽田連絡道路が開通すれば、19か国32都市の就航先を誇る羽田空港とつながり、国内はもとより海外とのスピーディーなアクセスが可能となる地域でございます。また、首都高速道路、東京湾アクアラインに接続し、東名高速道路や国道1号等の広域幹線道路網に近接しているため、東京都心をはじめ各地と非常に便利な交通アクセスを誇り、また今後、近い将来ではございませんけれども、川崎縦貫道路や川崎アプローチ線などができれば、さらなる交通アクセスの向上が期待される地域でもございます。ただ、現在、コロナ禍においてリモートワークの普及により都心に通勤することのリスクとテレワークの利便性を感じたことで、住居地域選択において、勤務先に近いことよりも、住居地の利便性や安全・安心をより重視する価値観が生まれつつありますので、この価値観を踏まえながら、本市の発展に寄与するような新たな玄関口としてふさわしいエリアマネジメントをぜひともお願いいたします。  次の質問に移らせていただきます。10款2項2目13節の防災まちづくり支援事業実施委託料1,401万8,400円について伺ってまいります。まずは、本事業の内容と昨年度の取組について伺います。 ◎樋口真紀 防災まちづくり推進課長 防災まちづくり支援促進事業についての御質問でございますが、初めに、事業内容につきましては、火災延焼被害の発生が想定され、かつ、大きな焼失被害のおそれのある16地区94町会を対象に、地区の地域防災力の向上を目的として、市からコンサルタントを派遣し、自助、共助による地域住民との協働による防災まちづくりを支援するもので、優先順位を考慮した上で順次取り組んでいるものでございます。次に、昨年度の取組につきましては、14町会のそれぞれの進捗状況に応じて、防災専門家による講演会、まち歩き及びワークショップ等により災害リスクへの理解を深め、防災意識の向上を図るとともに、地域活動の体制づくりや地域イベントなどの実践的な活動を支援するなど、減災に向けた自助、共助の取組の推進や減災対策の周知啓発を図ったところでございます。以上でございます。 ◆浦田大輔 委員 ありがとうございます。本事業は今年で4年目となるとのことですが、その取組による成果や地域での防災活動がさらに進んだ事例がありましたら教えてください。 ◎樋口真紀 防災まちづくり推進課長 取組の成果についての御質問でございますが、地域住民による地域独自の防災マップや、活動内容の広報誌の作成などソフト面での取組を行うとともに、危険なブロック塀の撤去促進や狭隘道路の拡幅整備等のハード面の改善が図られたものでございます。また、地域の民間介護施設と町会による災害時の相互協力に関する協定締結や防災空地の設置、災害時要援護者の避難を助ける体制づくりなど、地域課題に応じた地区独自の取組により、地域防災力の向上が図られたものと考えているところでございます。以上でございます。 ◆浦田大輔 委員 ありがとうございます。火災延焼被害の発生が想定され、かつ、大きな延焼被害のおそれのある16地区94町会を対象としておりますが、本市における防災のまちづくりの取組や地域の防災力を高めるための事例等、本事業で得た知恵や情報、またパンフレット「防災+減災まちづくりのススメ」等を、浸水被害が予想される地域をはじめ市内全域の共有財産として広く周知するなどの活用をしていくべきと考えますが、見解を伺います。 ◎樋口真紀 防災まちづくり推進課長 取組の周知についての御質問でございますが、防災まちづくりの取組内容につきましては、「防災+減災まちづくりのススメ」としてパンフレットにまとめ、これまで防災まちづくりの取組を開始する町会に配付するほか本市ホームページに掲載するなど、周知を行ってまいりました。今後につきましては、各区の防災訓練での配付や各区情報コーナーに配架するなど、様々な機会を捉えて幅広く周知啓発に努めてまいります。以上でございます。 ◆浦田大輔 委員 ありがとうございます。2011年の東日本大震災を契機に、平成25年の災害対策基本法では自助及び共助に関する規定が幾つか追加されました。その際、地域コミュニティにおける共助による防災活動の推進の観点から、市町村内の一定の地区の居住者及び事業者、地区居住者等が行う自発的な防災活動に関する地区防災計画制度が新たに創設されました。しかしながら、地区防災計画の策定作業には手間がかかるなどの理由で思うように広がっていないとのことです。そのような中、甲府市では、2016年の熊本地震などを受けて、2017年から職員が2年間をかけて市内の全自治会に足を運び、防災研修会を開催し、地区防災計画の意義などを解説し、策定の支援に当たる中で大きな広がりを見せたとのことです。内閣府の防災情報のページの地区防災計画ライブラリでは、地域別の様々な地区防災計画が閲覧できます。それらの地区防災計画の内容と、このパンフレットで紹介されております「防災まちづくりのススメ方」にある「地域の成り立ち」や「特徴を知る」「防災まちあるき」等、内容的に見ても地域防災計画となる十分な取組でございます。今後発生が危惧されている首都直下型地震南海トラフ地震等の大規模広域災害に備え、まずは防災まちづくり支援促進事業対象地域をモデル地区として捉えて、関係局と連携し、地域防災計画策定に取り組んでいくべきと考えますが、見解と対応を伺います。 ◎森真二 総務企画局危機管理室担当課長 地区防災計画についての御質問でございますが、地区防災計画につきましては、地域防災力を高めて地域コミュニティを維持、活性化することを目的としており、地区居住者等が、自助、共助の精神に基づき、地区の特性に応じて定めた計画を、川崎市防災会議の審議を経て、市の地域防災計画の中に位置づけるものでございます。本市におきましては、現時点におきましては市の地域防災計画に位置づけられている計画はございませんが、防災まちづくり支援促進事業により策定された地域住民主体による地区防災まちづくり計画をはじめ、地域コミュニティの中で地区防災計画に準じる計画を策定している地域もあることから、地域の要望等に応じて、関係局区と連携し、必要な支援を行ってまいります。以上でございます。 ◆浦田大輔 委員 それぞれ御答弁ありがとうございました。より積極的な地域防災力強化の取組を要望いたしまして、質問を終わります。 ◆堀添健 副会長 おはようございます。私は一般会計歳出、10款まちづくり費に関しまして、まず庁舎等建築物長寿命化対策について、次に駐車場整備についての2点を順番を入れ替えてお伺いをさせていただきます。  まず、庁舎等建築物長寿命化対策についてです。これまで本市では、庁舎等の公共建築物の最適な維持管理や活用等を行うため、2011年2月にかわさき資産マネジメントプランの第1期取組期間の実施方針を、2014年3月にはかわさき資産マネジメントカルテの第2期実施方針を策定し、取組を進めてきたところです。昨年度は2014年度から2020年度までの第2期取組期間の集大成とも言える年であり、引き続き本年度は2022年度からの第3期取組期間の実施方針の策定作業も既に進められているところであります。対象となる公共建築物は、庁舎等建築物や学校施設、市営住宅となりますが、このうちまちづくり局施設整備部が長寿命化を担っている庁舎等建築物について伺います。まず初めに、対象となる庁舎等建築物の概要と、第2期取組期間の重点目標について、確認を含め、長寿命化推進担当課長に伺います。以上です。 ◎佐々木朗子 施設整備部担当課長長寿命化推進担当〕 庁舎等建築物長寿命化対策についての御質問でございますが、初めに、対象となる庁舎等建築物の概要につきましては、学校施設、市営住宅及び企業会計施設を除く公共建築物のうち、原則として、駐車場、倉庫、公衆便所などを除く延べ床面積200平方メートル以上の施設を対象としており、合計403棟、延べ床面積は約69万平方メートルでございます。次に、第2期取組期間の重点目標につきましては、法定・日常点検に基づく施設の劣化状況などに応じた工事の優先度判定を踏まえた工事の実施による長寿命化により、将来の施設の修繕費、更新費の縮減、平準化に向けた取組でございます。 ◆堀添健 副会長 対象となる庁舎等建築物は合計403棟、延べ床面積は約69万平方メートルとのことです。第2期取組期間の重点目標は、長寿命化による修繕費、更新費の縮減、平準化とのことですが、庁舎等建築物について、資産マネジメントカルテにおける修繕費、更新費の見込額と、2019年度――昨年度の決算額について、長寿命化推進担当課長に伺います。また、これら施設の減価償却費についてもお答えください。以上です。 ◎佐々木朗子 施設整備部担当課長長寿命化推進担当〕 資産マネジメントカルテにおける修繕費などについての御質問でございますが、かわさき資産マネジメントカルテにおきましては、全ての公共建築物について長寿命化に配慮した場合の修繕費、更新費の将来見通しの試算を行っており、公共建築物の庁舎等建築物における平成26年度から平成30年度の5年間の年平均の修繕費は約85億円、更新費は約13億円となっておりまして、合計金額が約98億円と見込んだところでございます。また、令和元年度の長寿命化対策事業費の決算額につきましては26億2,092万7,823円となっております。減価償却費につきましては、行政コスト計算書において、一般会計等に属する固定資産のうち減価償却の対象となる資産全体の合計額を公表しているところでございまして、最新の平成30年度の行政コスト計算書では約445億円と算定したところでございます。以上でございます。 ◆堀添健 副会長 2018年度までの5年間では、年平均の修繕費は約85億円、更新費は約13億円と見込まれていますが、昨年度の実際の決算額は26億円余となっています。全てが長寿命化対策事業費として計上されているわけではないとのことですが、計画に比べ実績額はやや低いように感じます。さらに、減価償却費は毎年約445億円とのことですので、この金額と比べても昨年度の26億円余は十分とは言えないように感じるところであります。現在策定中である第3期取組期間の実施方針では、今後30年間の維持管理、更新等のコストが試算されているわけですが、今後10年間では年平均約776億円、今後30年間で見ると年平均で約937億円となっており、過去5年間の平均額約775億円を大幅に上回ることが見込まれているところであります。他方で、個々の公共建築物を見ると、これまでも適切な修繕や更新等が行われていないことが危惧される施設も実際にあるところであります。各施設管理部門からの要求に対してどのように取り扱われているのか、長寿命化推進担当課長に伺います。以上です。 ◎佐々木朗子 施設整備部担当課長長寿命化推進担当〕 施設管理者からの要求への対応についての御質問でございますが、施設管理者による建築部位、設備機器の点検結果や経過年数などを踏まえ、まちづくり局の職員による現地確認や施設管理者と協議調整を行って工事などの優先順位を設定し、それに従って設計、工事などを実施しております。以上でございます。 ◆堀添健 副会長 ありがとうございました。2011年に第1期の取組方針が策定をされ、庁舎等の公共建築物の最適な維持管理や活用等の取組が大きく転換をしてきたところであります。2017年度には長寿命化担当部署が設置をされ、2018年度から予算の取りまとめが始まり、さらに取組が具体的に進められてきたところであります。これまでの取組の評価と課題について、これはまちづくり局長に伺います。以上です。 ◎奥澤豊 まちづくり局長 これまでの取組についての御質問でございますが、初めに、評価につきましては、これまで各施設所管局に配分されていた長寿命化整備に係る予算を一元的に管理することにより全庁的な観点からの優先順位づけができ、効果的な執行が可能となり、長寿命化事業の円滑化が図られたところでございます。次に、課題につきましては、今後建て替え時期を迎える公共施設が大幅に増加することが想定されており、長寿命化を行う施設を選定していくことが必要となると考えております。このため、資産マネジメントを所管する総務企画局と連携を図りながら、優先順位づけを行い、事業を適正に執行していくことが重要なことと認識しております。以上でございます。 ◆堀添健 副会長 ありがとうございました。全庁的な観点からの予算の一元管理や優先順位づけが可能となった一方で、今後は建て替え時期を迎える公共施設が大幅に増加をする時期が到来することへの対応が必要となっているとのことです。限られた財源を、優先順位をつけて計画的に執行していくことは当然重要でありますが、その一方で予算が制約されて本来修繕すべき施設等に対応することができず、結果的に施設や設備の劣化が進んでしまう。予防保守をしていれば修繕で済んだところが建て替えざるを得なくなり、トータルコストの点ではより多くの財源が必要となってしまうことを防止することが、そもそも長寿命化方針の大きな目的であるわけです。現在、具体的な策定作業に入った第3期取組方針では、個々の施設の状況を今まで以上に詳細に分析、把握をし、予算ありきではなく長寿命化のための予算をしっかり確保していただくことを要望いたします。以上です。  次に、駐車場整備について伺います。本市を含め、都市部における自動二輪車の駐車場不足を背景に、所管する国土交通省では、自動二輪車の駐車場整備促進のために、都道府県や指定都市に対し通知等を行ってきたところであります。具体的には、自動二輪車駐車場の確保のためには、既存の駐車場や自転車駐車場において自動二輪車を受け入れる取組が重要であるとして、自転車等駐車場における自動二輪車の受入れを積極的に推進すること、既設の駐車場及び自転車駐車場に自動二輪車を受け入れるための改良の取組を積極的に検討すること、そして3番目としては、駐車場の改良の設備投資については社会資本整備総合交付金を活用した助成が可能であり積極的に活用することとの通知がされているところであります。本市においては、125ccよりも排気量の多いバイク、軽二輪車及び小型二輪車の駐車場が極めて少ない状況でありますが、溝口駅周辺における整備状況について交通政策室担当課長に伺います。 ◎藤野貴司 交通政策室担当課長 自動二輪車等駐車場の整備状況についての御質問でございますが、駐車場法では、排気量50ccを超える二輪車等を特定自動二輪車と位置づけており、溝口駅周辺における特定自動二輪車の駐車場台数といたしましては、駐車場法に基づく届出が52台、駐車場附置義務条例に基づく附置義務が7台となっております。以上でございます。 ◆堀添健 副会長 御答弁ありがとうございました。トータルでは59台ということで、若干、前回お伺いしたときより増えてはいるんですけれども、やはり四輪車や125ccまでのバイクに比べて圧倒的に絶対数が少ないという状況に変わりはないわけであります。これまでの議会での審議の中で、利用状況等について調査を行い実態の把握に努めることや、附置義務条例に基づく自動二輪車駐車場の整備、指導に取り組むとの答弁がありましたが、この間の取組状況について交通政策室担当課長に伺います。 ◎藤野貴司 交通政策室担当課長 これまでの取組状況等についての御質問でございますが、特定自動二輪車の駐車場の利用状況につきましては、溝口駅周辺において駐車場法に基づく届出施設へのヒアリングを実施したところ、日常的に不足している状況ではないことを確認しております。今後も、溝口駅周辺地区における利用実態の把握に努めるとともに、国や他都市の自動二輪車対策の動向を注視し、附置義務条例に基づく特定自動二輪車駐車場の整備について指導してまいります。以上でございます。 ◆堀添健 副会長 御答弁いただいたわけですが、一方、国土交通省の発表ですと、この間、国の取組によって、全国においては2006年に駐車場法が改正をされて取組が始まったわけですけれども、この2018年度末の段階で10倍近くまで全国的には増えてきていることがあるわけです。しかし、本市では、徐々に増えてはいるものの、例えば先ほど御答弁がありました溝口駅周辺でも全てを含めて59台と極めて少ないわけです。御答弁の中で日常的に不足している状況ではないことを確認されているということですが、これは使われ方が十分認識されていないのではないかというところになるわけです。今2か所で59台の駐車場が溝口駅周辺にはあるんですけれども、この料金を見ると、大体30分で100円とか110円ですから、4〜5時間止めるとすぐ1,000円ぐらいの額になってしまうということです。他方、例えば溝口駅周辺でも、125cc以下のバイクであれば、1日止めても安いところで80円、高くても220円というところになりますので、その料金体系が全然違っている。あくまで短時間用の駐車をするのであれば既存のところでもできるんですけれども、利用者の方からの強い声は、駅まで行って、止めて電車に乗るという使い方ですから、やはり8時間、10時間というふうに止められなければ意味がないわけですけれども、そうした施設が全く整備されていない中で使われていないということになるわけです。一方で、例えばこの川崎駅の周辺でも、1日200円とか300円で止められるところは複数あるんですけれども、そういうところは、場合によっては満車でほぼ止められなかったり、非常に高いニーズも確認がされているわけですから、そうした意味で言えば、今、既存の不足している状況ではないという利用者の声も確かにあるんですけれども、それは市民の方、利用者の方からのニーズと必ずしもマッチしていないところでの調査ということになるかと思います。再度、バイク利用で求められている使われ方を想定したニーズ調査の実施をまずはしっかり行っていただきますようお願いをして、質問を終わります。以上です。 ○市古次郎 会長 ここで理事者の一部交代をお願いいたします。    〔理事者一部交代〕 ○市古次郎 会長 それでは、引き続き審査を行います。  石川委員から、発言を願います。 ◆石川建二 委員 私は、2点について質問したいと思います。1点目は再開発事業について、2点目は木造住宅の耐震助成の問題について順次伺っていきたいと思います。  まず初めに、10款3項3目再開発事業費について伺います。小杉駅周辺地区再開発事業における小杉町3丁目東地区市街地再開発等事業補助金が、繰越額も含めて31億3,697万6,000円の決算額となっていますが、この事業における市の補助金の総額を伺います。また、事業の事業費総額、国及び県の補助金の金額、また、それらの補助金の総額、さらに、補助金総額の事業費に占める割合について伺います。 ◎武藤智則 拠点整備推進室担当課長 小杉町3丁目東地区市街地再開発事業についての御質問でございますが、本事業につきましては、平成19年度に再開発準備組合が設立され、平成25年度に都市計画決定し、本年6月に施設建築物が竣工したものでございます。総事業費は約434億円でございまして、そのうち市の補助金の総額は約34億円でございます。また、国の補助金につきましては約85億円、県は約25億円、市の補助金と合わせた補助金総額は再開発補助や公共施設管理者負担金などを含めた約144億円で、総事業費に占める割合は約33%でございます。以上でございます。 ◆石川建二 委員 総事業費の33%は税金で賄われて、補助金総額は144億円にもなります。他の開発事業でもおおよそ3割が公的資金で賄われるそうですから、その開発が高い公共性を持つものでなくてはなりません。単に事業者が行うマンション開発の援助であっては困ると思います。そこで、小杉町3丁目東地区市街地再開発事業では、こども文化センター、総合自治会館などの公的施設が整備されました。床の取得に要した費用と内装などの工事費について伺います。平米単価もお示しください。 ◎武藤智則 拠点整備推進室担当課長 公共施設の整備についての御質問でございますが、初めに、再開発区域内に従前から設置されていたこども文化センターにつきましては床の取得費を要しておらず、内装工事費は1億7,600万円でございます。また、総合自治会館につきましては、床の取得費が18億8,464万円、内装工事費が5億2,580万円、床取得費の1平方メートル当たりの単価は約125万円と関係局から伺っております。以上でございます。 ◆石川建二 委員 総合自治会館の場合は、平米単価で125万円、内装工事費5億2,580万円を含めると平米単価は160万円になります。こども文化センターは、床取得費はかからなかったけれども、担当者のお話では、月の管理料、これは53万8,000円余、その他の管理経費を含めると合計は月額で72万4,050円にもなります。相当な負担を今後払い続けるわけです。床取得金額の妥当性については別の機会に譲りますが、一般的にはその公共施設が高く購入されることがあるということがあってはならないと私は思いますので、この点についても引き続き分析をしていきたいと思います。関連して伺いますが、鷺沼駅前再開発に伴う市民館・図書館移転の費用の比較数値として中原市民館・図書館の内装を含めた整備費用を参考にして、その金額は平米単価77万8,000円です。市民に比較として示した平米単価77万円ではとても収まらないと思いますが、伺います。鷺沼駅前再開発の床の取得は平米当たり幾らと見込んでいるのか伺います。また、算定の方法、その金額の適正についてどのように検証されるのかも伺います。 ◎小池智也 地域整備推進課長 床取得費についての御質問でございますが、鷺沼駅周辺再編整備に伴う公共機能に関する基本方針でお示しした想定整備費につきましては、既存施設を長寿命化し現地で建て替えた場合と、鷺沼駅周辺再編整備に伴い移転する場合とのコストを比較するために試算したものでございまして、整備面積を既存施設と同じとすることや、整備単価についてはこれまでの市街地再開発事業などに併せて整備された公共施設の類似事例を参考にするなど、一定の条件を設定した上で算出したものでございます。具体的な事業費につきましては、床取得費に加え、新施設の諸室の配置計画や仕様を含めて、より詳細な検討が必要となりますので、今後、準備組合の事業計画の検討に併せて整理を行ってまいります。なお、床取得に当たっては不動産鑑定等により取得金額の妥当性を判断してまいります。以上でございます。 ◆石川建二 委員 現時点では床取得費は分からないということです。これは事業計画の骨格ではないでしょうか。保留床はマンション等を造った場合に処分する、販売するものですけれども、保留床の販売が幾らになるかは、まさにこの計画の骨格をなすものだと思います。これについては綿密な検証がきっとされているのでしょうけれども、それが市民にはなかなか見えてこない。あるいは、市がそれをつかみ切れていないということだと思いますが、ここは大きな問題があると思います。これは事業計画の重要な要素です。再開発事業では予算要望調書というものを行政でつくることになっています。これは国に提出する事業の採算性や自治体がどれだけ予算を投入できるかを示し、再開発事業の実効性の担保のあるなしを判断する材料として使われます。鷺沼駅前再開発事業に関する予算要望調書は作成されているのか伺います。 ◎小池智也 地域整備推進課長 国への要望調書についての御質問でございますが、市街地再開発事業に係る社会資本整備総合交付金の申請に必要な書類を作成し、総事業費や国費の要望額等について国土交通省へ提出しております。以上でございます。
    ◆石川建二 委員 要望書の提出をされているということですので、今後それをぜひ分析していきたいと思います。関連して、鷺沼駅前再開発事業について、準備組合の構成の問題についてちょっとお聞きします。当該地に土地を所有していない構成員がいるとの指摘がありますが、開発地域に土地を所有していない構成員はいるのか伺います。 ◎小池智也 地域整備推進課長 準備組合についての御質問でございますが、鷺沼駅前地区再開発準備組合の構成員につきましては、いずれも再開発事業区域内の土地に所有権を有しております。以上でございます。 ◆石川建二 委員 構成員は、東急株式会社、横浜銀行、JAセレサ川崎、東急の小会社で東急ライフィア株式会社、東急ファシリティサービス株式会社の5者です。再開発組合の構成要件が最低5者必要となっていることから、それに合わせたものと考えられます。いずれも地権者でなければもちろんなりません。昨日、登記簿で確認したところ、横浜銀行、JAセレサは土地所有者でしたけれども、あとは東急電鉄とフレルの土地を所有している三菱UFJ信託銀行が主なもので、東急ライフィアあるいは東急ファシリティサービスの土地の登記は見当たりませんでした。どこにあるのか地番でお示しください。 ◎小池智也 地域整備推進課長 準備組合の構成員についての御質問でございますが、鷺沼駅前地区再開発準備組合につきましては、セレサ川崎農業協同組合、東急株式会社、東急ライフィア株式会社、東急ファシリティサービス株式会社、株式会社横浜銀行の5者で構成されており、いずれも再開発事業区域内の土地に所有権を有しております。なお、東急ライフィア株式会社及び東急ファシリティサービス株式会社は、区域内の宮前区鷺沼3丁目1番19ほかを所有しております。以上でございます。 ◆石川建二 委員 東急ライフィア株式会社と東急ファシリティサービス株式会社、この2社の土地の所有は私も資料で確認をさせていただきました。しかし、2社で80平米という非常に小さな土地でした。さらに、登記簿によれば、ずっと従前からの所有ではなく、準備組合が立ち上がったのが2017年8月、その後の12月に登記をされているもので、にわかに地権者に仕立て上げられたのではないかと疑念が残ります。そもそも組合設立の要件に5人の地権者が必要とされる理由は、再開発事業が1事業者の開発行為ではなくて小さな地権者の土地をまとめ、道路の拡張を行ったり、災害に強いまちをつくるために最低5人の地権者の参加が求められているわけで、東急の子会社であるこの2社が構成員たる資格を有するのか、東急の一体の開発になるのではないか、疑問がさらに残りました。駅前街区における準備組合のメンバーが全て東急関連企業であることも、東急による東急のための開発であり、巨額な税金を投入する事業にふさわしいのかどうか、大きな問題があると思います。この点についても今後とも審議をしていきたいと思います。ところで、鷺沼駅前再開発案において、バスターミナルの出入口部分を左折帯、右折帯を含む上り下り4車線の形状にするとされておりますが、4車線化は可能なのか、どうすれば4車線になるのか伺います。 ◎小池智也 地域整備推進課長 道路整備についての御質問でございますが、当該交差点部分につきましては、市街地再開発事業により、現状の都市計画道路をさらに拡幅し、道路構造令等の規定に基づき、本線2車線に加え右左折用の車線である付加車線2車線を整備するものでございます。なお、道路線形や交差点形状につきましては、今後、交通管理者等と協議を行ってまいります。以上でございます。 ◆石川建二 委員 図面を見せていただきましたけれども、本来この道路、車幅3メートルを確保するということが道路構造令で決まっていますが、それが右折帯、左折帯についてはその幅が取れずに2.7メートルということで、これも違法ではないとのことですけれども、非常に無理な構造になっているのではないかということが危惧されます。その意味では、交通渋滞等が大きな問題となっておりますから、こうした交通渋滞を招く計画そのものが、やはり見直しが必要なのではないかなと、この点でも感じました。  最後に、まちづくり局長にぜひ伺いたいんですが、今、アフターコロナとかウィズコロナとかと言われる時代で、土地の高度利用や都市機能の集積など、今までのまちづくりが見直されてきていると思っています。集中から分散へと変わることが求められています。とりわけタワーマンションは局地的な人口増を生み出して、比較的似通った年齢層が集中して住むことで、子育ての施設、教育施設、あるいは介護施設などが一時的に不足するいびつな社会を生み出してしまうと言われています。小杉周辺の超高層マンションは、周辺から暖かい日差しを奪い、ガラス戸を破る強風を生み出し、子育て施設の不足、ラッシュアワーなど、様々な弊害が生じました。住みたいまちは、実は住みにくいまちだったということです。確かに人口の増加は税収増をもたらすかもしれませんが、それが住民の犠牲の上に成り立っているのでは、行政として正しいやり方とは言えません。今日見てきたように、再開発事業には多額の税金が入ります。住民合意のない計画は進めるべきではありません。超高層マンションは、地域からも建設に反対する声が多く寄せられています。超高層マンションの建設を今後とも続けるべきと考えているのか、見直しも必要と考えているのか、見解を伺います。 ◎奥澤豊 まちづくり局長 今後のまちづくりについての御質問でございますが、本市はこれまで、各拠点地区の地域特性に応じ、地区計画等を指定することで無秩序な開発を抑制し、都市基盤整備と併せて様々な都市機能の集積を図ることにより、利便性の高いまちづくりを進めてきたところでございます。今後につきましては、8月末に国土交通省から新型コロナ危機を契機としたまちづくりの方向性の論点が示されたことから、それらの動向を注視しつつ、引き続き、誰もが暮らしやすいまちづくりを目指し、計画的に土地利用を誘導し、魅力のある都市拠点の形成に努めてまいります。以上でございます。 ◆石川建二 委員 今引用された新型コロナ危機を契機としたまちづくりの方向性、これはこんなふうに書いています。新型コロナ危機を踏まえても、引き続き都市機能の国際競争力の強化、コンパクト・プラス・ネットワークの推進、スマートシティの推進に取り組んでいくという大きな方向性は変わりはない、こう述べて従来のまちづくりの延長を宣言している、そうした文章です。しかし、これは、もうかるまちをつくる手法であっても、私たちが安心して生活し続けることのできるまちの姿ではありません。少なくとも、超高層マンションは規制し、現在の計画の見直しを行うよう求めて、次の質問に入ります。  次は、10款4項2目建築指導審査費、木造住宅等耐震対策推進事業について伺います。この事業は、以前の耐震設計で建てられた1981年5月31日以前の2階建て以下の木造住宅の耐震性を高めるために、市が補助金を出し、改修を進めるものです。現在、市内にある対象建築物の数について伺います。 ◎樋口真紀 防災まちづくり推進課長 木造住宅等耐震対策推進事業についての御質問でございますが、旧耐震基準で耐震対策が必要な木造住宅等についてでございますが、平成25年の住宅・土地統計調査を基にした平成27年度末時点で、耐震性が不十分な木造戸建て住宅は約3万5,000戸と推計しております。なお、今年度末に予定している耐震改修促進計画の改定に向けて、平成30年の住宅・土地統計調査を基に改めて令和2年度末時点の推計値を算出しているところでございます。以上でございます。 ◆石川建二 委員 3万5,000戸、現在では推定であるということです。補助の内容は木造住宅耐震診断士の派遣、改修工事に対する補助があります。それぞれ2019年度の決算額と予算に対する執行率、実績の件数を伺います。 ◎樋口真紀 防災まちづくり推進課長 昨年度の実績についての御質問でございますが、木造住宅耐震診断士派遣事業につきましては、件数が168件、決算額が1,536万4,417円、執行率が61%、木造住宅耐震改修助成金につきましては、件数が39件、決算額が3,657万4,000円、執行率が78%でございます。以上でございます。 ◆石川建二 委員 耐震化を進めるためにダイレクトメールなどの発送も行っているようですが、効果について伺います。 ◎樋口真紀 防災まちづくり推進課長 ダイレクトメール発送による効果についての御質問でございますが、平成30年度から今年度までの3年間で市内全域の対象者宛てにダイレクトメールを送付したところ、平成29年度と比べて木造住宅耐震診断士派遣制度の申請件数が増加したところでございます。具体的な件数といたしましては、平成30年度から本年8月末までに受付をした本制度の申請789件のうち、約7割の555件がダイレクトメールに同封した申請書により提出されたものであり、耐震化への第一歩である本制度の利用において一定の効果があったものと考えております。以上でございます。 ◆石川建二 委員 耐震化には耐震の費用の自己負担の問題が大きいと思いますが、本市の自己負担の平均額について伺います。 ◎樋口真紀 防災まちづくり推進課長 木造住宅耐震化の費用についての御質問でございますが、昨年度の全体改修工事の税抜きの実績で、精密診断、補強設計、工事監理及び補強工事の費用の平均が約286万円、自己負担額の平均が約181万円でございます。以上でございます。 ◆石川建二 委員 181万円という自己負担は大変重たいものがあると思いますが、他都市ではこうした軽減についての対策も行われるようですが、今後の市の対応について伺います。 ◎樋口真紀 防災まちづくり推進課長 木造住宅耐震改修助成制度の検討についての御質問でございますが、補助率及び限度額の設定につきましては、所有者による応分な費用負担の観点から必要なものと考えておりますが、一人でも多くの方に耐震化に取り組んでいただけるよう、今年度末に予定している耐震改修促進計画の改定に向けて、耐震化の進捗状況や他都市の事例等も参考にしながら、より利用しやすい制度となるよう検討を進めてまいります。以上でございます。 ◆石川建二 委員 終わります。 ◆青木功雄 委員 10款4項3目、急傾斜地崩壊対策事業費と宅地防災工事助成金について、斜面地の安全対策について質問させていただきたいと思います。  初めに、急傾斜地崩壊危険区域の対策についてお伺いをさせていただきたいと思いますが、過去3年間、この急傾斜地の要望書提出件数と決算額、工事件数と、急傾斜地は県と市の予算割合がありますが、その割合と、要望書が提出されてから工事までに要する期間について伺います。 ◎重森智一 宅地企画指導課長 急傾斜地崩壊対策事業についての御質問でございますが、初めに、工事までに要する期間につきましては、本事業は、住民からの要望書の提出を受け、神奈川県が擁壁等の対策工事を行うもので、要望後に県が調査、設計等を実施するため、要望を受けてから工事に着手するまでにおおむね5年程度を要すると伺っております。なお、工事につきましては、規模によっては複数年度にわたって実施されるものでございます。次に、過去3年間の実績につきましては、平成29年度は、要望書提出件数が4件、当該年度内に工事を実施した箇所が4か所で、決算額が3,188万8,949円(281ページに「3,188万8,947円」と訂正)でございます。平成30年度は、要望書提出件数が0件、工事箇所が3か所、決算額が2,905万5,840円でございます。令和元年度は、要望書提出件数が0件、工事箇所が2か所、決算額が2,224万3,126円でございます。次に、費用負担につきましては、平成元年度に神奈川県と本市で締結した急傾斜地崩壊対策工事の施行に伴う費用負担等に関する協定に基づき、県と本市が8対2の割合で負担することとしております。以上でございます。 ◆青木功雄 委員 ありがとうございます。実際に、市民の方が工事を望んでも、要件に合致せず要望書提出まで至らない件数も多いと推察しますが、どのような要因でなかなか工事までいかないのか、再度お伺いします。 ◎重森智一 宅地企画指導課長 要望書提出まで至らない要因についての御質問でございますが、本事業の採択基準といたしまして、崖の高さが5メートル以上であること、原則として人の手が加わっていない自然崖であること、事業によって安全性が確保される家屋が5戸以上あることなどの要件がございまして、これらを満たさない場合や、事業に伴い急傾斜地崩壊危険区域が指定されることで土地利用に一定の制限がかかるため、関係権利者から要望に向けた合意が得られない場合などがあるものと認識しております。以上でございます。 ◆青木功雄 委員 ありがとうございます。私も知らなかったんですけれども、この急傾斜地崩壊危険区域を区別に見ると、川崎区はゼロなんですけれども、幸区が2区域、中原区は4区域、宮前区が11区域、高津区が50区域、多摩区が17区域で、麻生区が23区域となっています。もう少し北部のほうが多いのかと思っていましたけれども、50区域と高津区が群を抜いて急傾斜の区域が多いということなんですけれども、私のところでも、相談してもなかなか要件に合致しないということが非常に多いのが現状です。自然災害が多いので何か対応する方法はないのか、再度お伺いいたします。 ◎重森智一 宅地企画指導課長 要件に合致しない場合における対応についての御質問でございますが、本事業のほかに、本市では崖の高さが2メートル以上で適用でき、人工崖においても助成できるなど、比較的柔軟な対応が可能となる宅地防災工事助成金制度を設けておりますので、現場の状況に応じて適切な手法を選択していただくことで、急傾斜地の安全対策の推進につなげてまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆青木功雄 委員 それでは、今教えていただいた宅地防災工事助成金制度の決算概要の助成件数と決算額について伺います。 ◎重森智一 宅地企画指導課長 宅地防災工事助成金についての御質問でございますが、過去3年間の実績につきましては、平成29年度は助成件数が2件で、決算額が62万3,000円、平成30年度は助成件数が5件で、決算額が813万円、令和元年度は助成件数が1件で、決算額は翌年度繰越しとなったためゼロ円でございます。なお、今年度は現時点で4件の助成が決定しております。以上でございます。 ◆青木功雄 委員 ありがとうございます。今月末に県からいわゆるレッドゾーンの指定が、多摩区は発表されているかと思いますが、他区についても発表される予定だとお聞きしております。お住まいの方からは、この土地の所有者の方とか事業者もそうでしょうけれども、どんなふうになるんですかという不安の声があるので、その対応についてもお伺いをしておきます。 ◎重森智一 宅地企画指導課長 土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンについての御質問でございますが、幸区、中原区、高津区及び宮前区におきましては、神奈川県により、本年度末の土砂災害防止法に基づくレッドゾーンの指定告示に向け、今月末に基礎調査の結果が公表され、個別説明会が開催される予定と伺っているところでございます。本市といたしましては、同法の趣旨や規制の内容等について、レッドゾーンを含む土砂災害警戒区域内の全ての家屋に対し、土砂災害ハザードマップを配付するとともに、本市のホームページ等に掲載するなど周知を図ってまいります。以上でございます。 ◆青木功雄 委員 最後に、意見を言わせていただく前に、まちづくり局長にお伺いしたいと思いますが、このレッドゾーン指定後、市として今後どのような指導や助言をされていくのか、新たな助成制度を設けるなど予定があるのかお伺いいたします。 ◎奥澤豊 まちづくり局長 関係者に対する助言等についての御質問でございますが、レッドゾーン等のパトロールによる現地状況の把握を行い、注意を要する箇所につきまして、必要に応じて関係権利者等に対し急傾斜地崩壊対策事業や宅地防災工事助成金制度を説明するなど、適切な助言等を行うことで斜面地の安全対策の推進につなげてまいります。また、レッドゾーンの指定に伴う斜面地の安全対策に対する公共の関与の在り方につきましては、他都市における状況等も参考にしながら研究を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆青木功雄 委員 ありがとうございました。総合的に今回は斜面地の安全対策について質問させていただきました。御答弁いただいた中で、急傾斜地になると基本的には個人の負担はゼロで、県が8割、市が2割ということで、今、予算額を見せていただきましたけれども結構大きい額ですよね。川崎市だけでも3,000万円近く出して、それで2割で、それに県もですから、市民の方々からは急傾斜地に指定してもらえるとありがたいなという声が多いんですが、今御答弁いただいたとおり、なかなかそのハードルが高いですよね。では、ハードルが高いから何かほかの制度がありませんかと聞くと、この助成制度がありますよということなんですけれども、川崎市の場合は3分の1で最大300万円ですよね。そうはいっても3分の1ですし、300万円と。なかなかどうなのかなと。山の崖を自分たちの金でどこまでやるのか、非常に悩ましいですよね。さりとて急傾斜の要件には合致しない。今お話しさせていただいたとおり、区域としては結構あって、これから先も台風のときに、土地を持っている方という言い方がいいのか分からないですけれども、緑を残そうとしてもなかなか残せないぐらいな感覚で、皆さん、指定するかと。その区域に合致しないということもあって非常に悩ましい、悩んでる方々も多いのかなと思います。  横浜市はもう少し額が大きいんですかね。川崎市の300万円が横浜市は400万円になったり。もうちょっと崖が多いような横須賀市は3分の1が2分の1になったり、結構それぞれ区域によって制度が違うと思います。川崎市も、どんなふうにこれから制度を変えるか分からないですけれども、やっぱり持っている方々は、御自身で何か対策はしなきゃいけない。共同で持っている方もいらっしゃるかもしれませんけれども、そういう方々が一歩踏み出そうとするときに、もう少し踏み出しやすい制度にしていただくと、御自身の土地を守るということよりも、御自身の土地の周りに住んでいる方々の安全性も含めて、多分そういう相談というのは来ていると思いますので、その辺をしっかりと聞いていただけるように。レッドゾーンは、これから県でやると、またそれなりに話が膨らんでいくことがあると思いますので、御助言、研究をお願いしたいと思います。以上です。 ◎白井章雄 指導部長 先ほどの青木委員の第1問目の質問について、平成29年度の決算額3,188万8,949円と答弁してしまいましたが、3,188万8,947円の間違いでございましたので、おわびして訂正させていただきます。申し訳ございませんでした。以上でございます。 ○市古次郎 会長 ここで暫時休憩をしたいと思いますが、御異議ありませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○市古次郎 会長 およそ10分間休憩いたします。再開は11時22分ごろを予定いたします。                 午前11時12分休憩                 午前11時22分再開 ○市古次郎 会長 それでは、まちづくり分科会を再開いたします。  かわの委員から発言を願います。 ◆かわの忠正 委員 初めに、10款3項2目市街地整備費1億9,896万6,481円について伺います。まず、その中の戸手4丁目北地区事業化推進業務委託料についてです。昨年の東日本台風が本市を直撃した際には、多摩川の水位が上昇し、この戸手4丁目北地区である堤外地の戸手4丁目が冠水した映像がニュースで流れ、多くの市民の方が氾濫するのではないかと心配をされ、その後は早期のスーパー堤防の完成が待たれているところでございます。そこでまず、この委託した業務の目的と内容について伺います。また、事業の進捗状況及び今後の工事の進め方や事業スケジュールについて伺います。 ◎小池智也 地域整備推進課長 戸手4丁目北地区についての御質問でございますが、初めに、当地区では、国による高規格堤防整備事業、地区内地権者による土地区画整理事業、市による公共施設整備事業の3つの事業の実施により、治水安全度の向上及び地区内の居住環境の改善を目指すものでございます。昨年度の委託内容につきましては、多摩沿線道路の線形改良工事、歩道拡幅工事、下水道工事等の公共施設整備事業について、各事業を連動させた合理的な施工計画の検討を行ったものでございます。次に、事業の進捗状況等につきましては、当該施工計画に基づき事業を進めており、現在、土地区画整理の事業認可取得に向けて国や事業者にて地権者や関係機関との協議調整を行っており、今年度から建物解体工事や高規格堤防整備事業による盛土工事に着手することを目指し、取組を進めているところでございます。工事につきましては、区域内の建物の移転を踏まえ、盛土工事を2期に分けて行うことを予定しており、それに伴い下水道工事などのライフラインの整備を段階的に行ってまいります。その後、令和5年度頃からは、土地区画整理事業で施工する区画道路の整備及び多摩沿線道路の線形改良工事や歩道拡幅工事等に着手し、全体の事業完了につきましては令和8年度を予定しているところでございます。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 大規模な工事ですので、長い時間を要するのは理解するところでございます。今年度から、まずは盛土工事が着手されることを目指しているとのことなので、着実に進めていただきたいと思います。期待して見守ってまいります。では再質問ですけれども、先ほどの御答弁で、昨年度の委託内容で多摩沿線道路の拡幅について触れられておりました。この計画には多摩沿線道路の御幸中学校方面の住宅側である多摩沿線道路側の歩道拡幅などが含まれているはずでございますけれども、どのように計画されているのか、また、住宅側の歩道部分の工事はいつ頃行われるのか伺います。 ◎小池智也 地域整備推進課長 多摩沿線道路の整備についての御質問でございますが、多摩沿線道路につきましては、車両走行の安全性の向上のため、道路線形や交差点の改良を行うとともに、住宅側の歩道についても歩行者通行環境の改善に向けて2メートル以上の幅員を確保する計画となっております。歩道部の工事につきましては、多摩沿線道路の交通機能を確保しながら行う必要があることから、多摩川側の道路拡幅整備を行った後、令和8年度の事業完了に向け、令和7年度頃の整備を予定しております。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 歩道が2メートル以上の幅員に広がるということで、市民の方も大変期待をしているところでございます。令和7年度ごろの整備を予定とのことですので、あと5年もかかる。狭い歩道で日常的に通行されている方は早期完了を待ち望んでおりますので、着実に早期完了をよろしくお願いしたいと思います。  では続いて、同じ費目の南武線沿線まちづくり調査事業費について伺ってまいります。まず、この事業費の目的と委託内容、調査結果と全体の進捗状況、成果について伺います。 ◎小池智也 地域整備推進課長 南武線沿線まちづくりについての御質問でございますが、昨年度の委託につきましては、地域生活拠点である新川崎駅・鹿島田駅周辺地区において、これからの鹿島田駅周辺におけるまちの将来像の方向性の検討や、にぎわい、環境、防災など、今後、まちづくりの検討を進めるに当たっての視点について整理を行ったものでございます。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 今後、にぎわい、環境、防災等の視点からまちづくりの検討を進められるということでした。事前にいただいたこの報告書で詳細を確認してみますと、居住環境というところで、公共交通の充実とアクセス強化による移動の効率化も、考えられる取組に掲げられております。この点についてですけれども、南武線連続立体交差事業の完成はまだまだ先と思いますけれども、このような調査を実施する際には完成後のまちづくりを描きながらニーズを調査する取組も重要であります。特に、鹿島田駅、新川崎駅を結節点とするバス交通、タクシー、駐輪場などについて、バスターミナルやバス停、タクシー乗り場や駐輪場の確保などをどのように整備していくのかという点も調査対象にしていくべきであります。見解を伺います。 ◎小池智也 地域整備推進課長 今後の検討についての御質問でございますが、JR南武線連続立体交差事業の状況を踏まえ、駅の立地を生かした地域生活拠点にふさわしい様々な機能集積の在り方や、公共交通などのアクセス改善等による周辺エリアとの連携強化など、様々な観点からまちづくりの方向性を検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 ぜひ、公共交通などのアクセス改善に取り組んでいただきたいと思います。  それでは次に、10款2項2目計画調査費2億5,187万円余のうち地域交通支援事業について伺います。主要施策の成果説明書では、身近な地域交通環境整備の項目の中で、路線バスネットワークの充実に向けて南部エリアの路線バス利用実態調査、地域交通の役割に応じた機能強化の検討を行ったとのことです。まず、どのような調査検討を行ったのか、その内容と方法、そして成果について伺います。 ◎藤野貴司 交通政策室担当課長 地域交通の調査等についての御質問でございますが、初めに、南部エリアの路線バス利用実態調査につきましては、川崎区と幸区の一部を運行する路線を対象に、全便に調査員を配置し、利用者の乗降時に調査票を配付、回収することで、バス停ごとの乗降者等の利用実態調査を行ったものでございます。次に、地域交通の役割に応じた機能強化の検討につきましては、本市の地域公共交通を取り巻く社会経済状況の変化と動向について、統計資料等に基づき分析等を行うとともに、地域公共交通の現状や課題の整理、役割や方向性等について検討を行ったものでございます。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 その検討をしていただいた中で、私は、高齢化が進む中、区役所――幸区役所ですけれども――や駅につながる路線バスの検討について、これまで何度も議会で取り上げてまいりました。特に幸区の古市場4町会、小向、小向仲野町方面から幸区役所や鹿島田、新川崎駅方面のバス路線がない点を指摘してきました。この地域のニーズも調査し検討すべきですが、今後の対応を伺います。 ◎藤野貴司 交通政策室担当課長 幸区内のバス路線についての御質問でございますが、現在の取組状況につきましては、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく地域公共交通計画の今年度の策定に向け、学識経験者や交通事業者等で構成する協議会を設置し、地域交通の基幹的な役割を担う路線バスネットワークの形成や今後の取組の方向性について検討を進めているところでございます。今後につきましては、同計画における効率的かつ効果的な路線バスネットワークの形成に向けた取組を進めるため、地域特性や地域ニーズ等を踏まえ、交通事業者等と協議調整を行ってまいります。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 ぜひ、地域ニーズを踏まえて、よろしくお願いしたいと思います。  次に、10款1項1目まちづくり総務費、4億6,201万円余の中のユニバーサルデザインタクシー導入促進事業補助金について伺います。主要施策の成果説明書では、タクシー事業者15社の38台に補助を行ったとのことです。高齢化、障害者の増加の傾向からユニバーサルデザインタクシー、いわゆるUDタクシーは今後ますます需要が増えると思います。まず予算計上された目的と台数、算出根拠を伺います。そして、申請状況と予算配分の決定過程も明らかにしてください。区別の補助状況とタクシー事業者数についても伺います。また、不用額も伺います。令和元年度にタクシー事業者が補助を受けずに自主的に購入した台数も、分かれば明らかにしてください。 ◎北村岳人 交通政策室担当課長 ユニバーサルデザインタクシー導入促進事業についての御質問でございますが、初めに、目的等につきましては、ユニバーサルデザインタクシー、いわゆるUDタクシーの普及促進を図り、子育て世帯から高齢者、障害者をはじめ、誰もが安全・安心で快適に利用できる交通環境の整備を推進することとし、平成25年度から実施しているところでございます。令和元年度予算につきましては、タクシー事業者の意向も踏まえ、45台分の予算を計上いたしました。執行に当たりましては、年度当初に神奈川県タクシー協会川崎支部や町内会連合会などで構成する川崎市地域公共交通会議分科会において、生活交通改善事業計画に導入台数73台を位置づけ、同協会の調整の下、翌年1月末までに各事業者が申請することとなっておりまして、38台の申請を受け、1台当たり20万円、合計760万円の補助を実施いたしました。区別の補助状況等につきましては、川崎区では5事業者で14台、幸区では2事業者で6台、宮前区では4事業者で9台、多摩区では2事業者で4台、麻生区では2事業者で5台となっております。また、不用額といたしましては140万円でございまして、事業者が補助を使わず自主的に購入した台数は9台であったと同協会から伺っております。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 ただいまの御答弁で、生活交通改善事業計画では、導入台数は当初73台の計画で、そのうち予算で45台分を確保されたと。でも、実際には申請され、補助した台数は38台とのことで、7台分140万円の補助が不用額となってしまっております。でも、実際、補助を使わずに自費のみで購入した事業者の合計台数は9台あるという状況でした。補助申請が間に合わなかったのか何なのか、状況も今後確認をしておいていただきたいと思います。UDタクシーを効率的、効果的に増車するためには、手続などにももう一工夫があるといいのではないかと考えます。そこで、不用額について、予算を有効に事業執行し、予算の目的を最大限に実現するために、予算配分の決定について、申請方法など見直していくことも台数増車に寄与すると考えますけれども、見解と今後の対応を伺います。 ◎北村岳人 交通政策室担当課長 UDタクシーの補助金についての御質問でございますが、生活交通改善事業計画につきましては、年度当初の計画でございまして、その後の各事業者の事情により、実際に補助を申請するかを判断していると伺っております。今後につきましては、適宜、事業者の導入意向を把握し、タクシー協会と連携を図りながら、UDタクシーの普及促進に取り組み、適切に補助を執行してまいります。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 ぜひ、タクシー協会の状況をお聞きしながら適宜対応していただきたいと思います。では、UDタクシーの配置についてのハード面の環境整備についてでございます。まず、駅前のタクシー乗り場の配置の考え方をお伺いします。 ◎北村岳人 交通政策室担当課長 UDタクシー乗り場についての御質問でございますが、これまで、川崎駅や武蔵小杉駅などの拠点駅の駅前広場の整備等の機会を捉え、乗り場の整備を進めてきたところでございます。乗り場の配置につきましては、それぞれの駅前広場の大きさや形状などに応じて、動線にも配慮しながら限られた空間を有効活用し、高齢者や障害者など、誰もが利用しやすくなるよう、計画、整備しているものでございます。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 ただいまの御答弁を、新川崎駅の駅前広場ロータリーについて伺ってまいりますけれども、このロータリーのUDタクシー利用環境の現状と改善策についてであります。ここは平成25年7月に神奈川県タクシー協会川崎支部と駅前広場ロータリーの運用について川崎市は覚書を締結いたしました。この覚書では、UDタクシー専用のロータリーとし、駐車スペースは3台分、管理運営についての全責任は協会が負うことや、ロータリーにおけるUDタクシーの安定供給に努めることなどが交わされております。これまで議会質問でも様々取り上げておりましたけれども、このロータリーにタクシーが来なくて困るという障害者からの声が届いております。この対策には、UDタクシーを需要に応じて増車していくことや、必要なときにタクシーが待っているか、ないときには速やかにタクシーが来る体制を構築することが重要かと考えます。まず、待ち時間の実態調査はどのようになっているのか伺います。 ◎小池智也 地域整備推進課長 新川崎駅前ロータリーにおける待ち時間の実態調査についての御質問でございますが、同ロータリーにおけるUDタクシーの待ち時間につきましては、タクシー協会に確認したところ、実態調査を行っていないとのことでございます。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 実態調査を行っていない、実態は分からないということでございました。実態調査の実施に向けた質問は後ほどしますので、その前に、このロータリーに停車しているUDタクシーに乗れる方の制限はあるのか、健常者の方も乗車できるのか、念のため伺います。 ◎小池智也 地域整備推進課長 UDタクシーの利用についての御質問でございますが、UDタクシーは、高齢者、車椅子使用者、ベビーカー使用者、妊娠中の方、大きな荷物を持った方など、誰もが利用しやすいみんなに優しい新しいタクシー車両であることから、健常者につきましても利用することが可能でございます。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 タクシーが止まっていれば誰が乗車しても構わない、制限はないということでございます。タクシー協会では、平成28年11月からUDタクシーの安定供給のため、配車システムの運用を開始されております。まず、このシステムについて伺います。また、運用実態を把握しているのか、状況について伺います。 ◎小池智也 地域整備推進課長 UDタクシー配車システムについての御質問でございますが、同システムは、駅前ロータリーに設置したセンサーがUDタクシーの待機状況を感知し、一定時間、車両が待機していない場合には、自動的にUDタクシーの運転手に対し、駅前ロータリーへの配車を指示するものとタクシー協会から伺っております。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 このシステムは、一定の時間車両が待機していない場合、UDタクシーの運転手に駅前ロータリーへ配車を指示するシステムとのことですけれども、一定の待ち時間とは何分なのか伺います。 ◎小池智也 地域整備推進課長 配車システムの運用についての御質問でございますが、同システムにおきましては、10分間車両が待機していない場合に配車が指示されることとなっていると伺っております。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 そうすると、10分待ってもタクシーが来ない場合に、それから配車の指示が行って、車の移動をしてロータリーにタクシーが到着するとなると、普通考えても、早くても15分以上は待つようになるというのが実態かと思います。幸区内のタクシーの台数と、そのうちのUDタクシーは何台なのか伺います。また、UDタクシーは、ロータリーに停車していない場合には普通のタクシーのようにまちなかを流しているのか伺います。 ◎小池智也 地域整備推進課長 幸区内のUDタクシーの台数などについての御質問でございますが、初めに、幸区内のタクシー台数につきましては、タクシー協会に確認したところ、令和元年度末時点で、287台となっており、そのうちUDタクシーは19台と伺っております。次に、UDタクシーの運行につきましては、一般のタクシーと同様に各事業者や運転手の判断により運行しているものと伺っております。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 幸区内のUDタクシーは19台、幸区内には、御存じのとおり、川崎駅西口にタクシー乗り場が2か所あります。新川崎駅に何台回ってくるのか把握しないと、UDタクシー専用ロータリーのままでいいのか、普通のタクシーも3台駐車スペースのうち例えば1台待機可としたほうがいいのか、的確な判断はできないんじゃないかと思います。待ち時間の実態調査はタクシー協会も市でも行っていないとのことですので、この実態調査が必要であります。市はこのほかの調査、これまでパーソントリップ調査や交通量調査など様々な調査をする機会がありますし、市の費用負担で実施もしているものもあります。そこで、タクシー待ち時間の実態調査をまずしっかりすべきです。見解と対応を伺います。 ◎小池智也 地域整備推進課長 実態調査についての御質問でございますが、本市といたしましては、利用者の利便性向上に向けてUDタクシーのさらなる普及を促進することが肝要と考えているところでございます。令和元年度末時点におけるUDタクシーの導入台数は、タクシー協会に確認したところ、174台でございまして、今年度もさらに30台の導入補助を行う予定があることから、今後もUDタクシーの増加が見込まれておりますが、これらの動向も見据えながら、実態調査の必要性につきましても同協会などと意見交換を進めながら検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆かわの忠正 委員 時間がなくなってきましたので、もうここで質問を終わりにしますけれども、しっかりと実態をまず調査してから、その上でどうしたら市民への改善につながるのか、利便性向上につながるのか、ぜひ御検討いただきたいと要望しまして、私の質問を終わります。 ○市古次郎 会長 ここで理事者の一部交代をお願いいたします。    〔理事者一部交代〕 ○市古次郎 会長 引き続き審査を行います。  なお、関係理事者として、建設緑政局から中田自転車利活用推進室担当課長、幸区役所から小松道路公園センター整備課長が出席しておりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、露木委員から発言を願います。 ◆露木明美 委員 10款2項2目計画調査費のうちの路線バス利用実態調査について、初めに伺います。これは他の委員と重なる部分もございますけれども、予定したとおりさせていただきます。平成31年第1回定例会において、市長は、市政執行の基本的な考え方の中で、身近な交通環境の整備につきましては、超高齢社会の進展等を踏まえ、地域交通の一層の充実を図るため、市内全域にわたる路線バスの乗降数調査等により利用実態等を把握した上で、路線バスネットワークの再編に向けた取組や、地域住民が主体となったコミュニティ交通の取組支援など、幅広い観点から様々な検討を進め、地域特性や市民ニーズに応じた持続可能な地域交通の環境整備を推進してまいりますと述べました。さらに、本年の2月にも同様の方針を再度を示しております。こうした発言や平成31年の予算額が1億8,100万円余であることから、大規模な路線バス乗降数調査を想定して、結果に期待していました。しかし、令和元年度に計画していた調査については、臨海部と幸区を終えた時点で委託業者から調査が継続できない旨の申出があり、残る調査が令和2年度に持ち越されました。そこで、令和元年度に予定していたもののうち、実施された路線バス乗降数調査の決算額と内容及び関連調査として実施された地域交通機能強化調査とバス利便性調査のそれぞれの決算額と実施内容について伺います。また、どの部分が令和2年度に持ち越されたのか伺います。 ◎藤野貴司 交通政策室担当課長 地域交通支援事業についての御質問でございますが、初めに、南部エリアの路線バス利用実態調査につきましては、決算額が3,849万3,000円となっており、川崎区と幸区の一部を運行する路線を対象に全便に調査員を配置し、利用者の乗降時に調査票を配付、回収することで、バス停ごとの乗降者等の利用実態調査を行ったものでございます。次に、地域交通の役割に応じた機能強化の検討につきましては、決算額が569万8,000円となっており、本市の地域公共交通を取り巻く社会経済状況の変化と動向について、統計資料等に基づき分析等を行うとともに、地域公共交通の現状や課題の整理、役割や方向性等について検討を行ったものでございます。次に、路線バスの乗り継ぎに関する調査につきましては、決算額が603万9,000円となっており、効率的、効果的な路線バスネットワークの形成に向け、市内2地区において一定の乗り継ぎ利用が見られる停留所に調査員を配置し、乗り継ぎを行う利用者数を確認するとともに、アンケートの協力をお願いし、後日回答いただくことにより、乗り継ぎに必要となる機能等に関して調査を行ったものでございます。なお、中部・北部エリアにおける利用実態調査につきましては、新型コロナウイルス感染症による影響を踏まえ、実施時期を検討しているところでございます。以上でございます。 ◆露木明美 委員 令和元年度に実施した調査内容は分かりました。また、繰り越されたものも分かりました。それでは、実施されたその成果物ですけれども、そのような調査でどのようなことが明らかになったのか伺います。 ◎藤野貴司 交通政策室担当課長 地域交通支援事業についての御質問でございますが、南部エリアの路線バス利用実態調査につきましては、路線別や運行時間帯ごとの利用状況を把握したものでございます。また、地域交通の役割に応じた機能強化の検討及び路線バスの乗り継ぎに関する調査につきましては、地域公共交通計画の策定に向けた基礎資料として、現状や課題の整理、役割や方向性等について検討を行ったものでございます。以上でございます。 ◆露木明美 委員 ありがとうございます。令和元年に実施した調査だけでも3,800万円余がかかっていることが分かりましたし、調査内容についても今いただきました。残る調査として1億4,400万円余の費用が令和2年で実施する予定とのことです。仄聞するところ、令和2年における残る調査の委託契約は終了しているようですが、新型コロナの影響で実施が延期されているようです。今後の地域公共交通計画の取りまとめにも影響があると考えますが、見解を伺います。また、新型コロナの影響があっても、現在の状況で調査を進めることも選択肢の一つとも考えられます。今後、調査をどのように進めていく予定なのか伺います。 ◎藤野貴司 交通政策室担当課長 地域公共交通計画についての御質問でございますが、現在、同計画の今年度の策定に向け、地域交通の基幹的な役割を担う路線バスネットワークの形成や今後の取組の方向性について検討を進めているところでございます。今後につきましては、同計画における効率的かつ効果的な路線バスネットワークの形成に向けた取組を進めるため、路線バスの利用実態等を踏まえ、交通事業者等と協議調整を進めてまいりたいと考えております。また、今後の利用実態調査の進め方につきましては、新型コロナウイルス感染症による影響を踏まえ、引き続き交通事業者と調整してまいります。以上でございます。 ◆露木明美 委員 最後に意見を述べさせていただきますが、令和元年度に行うべき調査が令和2年――今年になってもまだ実施がなかなか見通せないという状況になっていることであります。最初に申し上げたように、市長の方針の中で幅広い観点から様々な検討を進め、地域特性や市民ニーズに応じた持続可能な地域交通の環境整備を推進していくとの発言で、やはり大規模で多面的な調査を期待していました。新型コロナウイルスの影響もあり、調査自体が未実施の部分がありますけれども、なかなか今後が見通せない状況となっており、全市でやはりこの調査を完了しなければ、路線バス実態調査が完了して、業者とのお話が進められないのではないかと思います。また、この調査の結果、市バスの今後や民間事業者の経営や事業の運営にも大きく影響すると思われますので、コロナの状況次第でもありますけれども、実施の有無も含めて、この取組自体をどのようにするのか、改めて検討し直すことも必要が生じる可能性もあるのではないかと思います。慎重にこの実態調査、影響を考えて進めていただくようにお願いします。なお、一部のバス事業者の中には、路線バス自体を業績の悪化から見直す方向で検討に入っている業者もあるということですので、そうした部分については実態調査は進められませんけれども、市内事業者の状況を把握することも併せて取り組んでいかなければいけないと思いますので、その辺も併せてよろしくお願いいたします。この質問を終わります。  次に、10款3項4目、登戸地区土地区画整理事業費について伺います。30年以上続いたこの事業は、令和7年度に終了予定であり、あと5年程度で完了を目指しています。令和元年度の予算に対する決算額、決算率を見ると、工事請負費が予算額6億1,000万円に対して決算額が2億8,000万円余、執行率が約46%です。補償補填及び賠償金が予算額85億2,000万円余に対して決算額が52億1,000万円余、執行率が61%です。また、執行されなかった額のほとんどが翌年度への繰越しとなっています。この状況は、今年度だけ――令和元年度だけではなく、これまでも見られたものです。区画整理事業の進捗が遅延しているのではと危惧されるところです。予算に対する執行率の低さについて、原因と対策、今後の予定について伺います。また、平成30年度に総事業費を770億円から936億円に増額しましたが、その後、どの程度執行してきたのか伺います。 ◎大場孝浩 登戸区画整理事務所担当課長 登戸地区土地区画整理事業費についての御質問でございますが、初めに、繰越額の主な内容につきましては、建物所有者や借家人に対する移転に関する補償金でございまして、繰越理由といたしましては、移転に関する補償の協議に時間を要したことや、建築物等の解体後にお支払いする補償金が翌年度になったことなどでございます。対策と今後の予定につきましては、引き続き、権利者との移転協議を丁寧に進めながら、集団移転のスケジュールに遅延が生じないよう事業を進めてまいります。次に、総事業費に占める執行額につきましては、総事業費約936億円に対して、令和元年度までの累計決算額は約680億円であり、約73%の事業費を執行しているところでございます。以上でございます。 ◆露木明美 委員 一応今の御答弁では、計画のように粛々と今進めているというような形で御答弁があり、大きな遅延は生じていないのではないかというようなことが確認されました。では次に、平成25年度から地権者との交渉において民間委託を導入してきた経過があります。業務支援委託として令和元年度は約1億円を執行しています。その業務支援委託によってどのような効果があったのか伺います。 ◎大場孝浩 登戸区画整理事務所担当課長 業務支援委託についての御質問でございますが、導入による効果につきましては、補償内容が複雑で高度な交渉が求められる権利者を受託業者が担当するとともに、受託業者と本市職員が一緒に補償交渉を行うことで職員のスキルアップが図られ、全体として建築物の移転補償契約件数の増加につながっております。以上でございます。 ◆露木明美 委員 御答弁ありがとうございました。最後に一言申し述べます。こうした民間の業者の補償交渉を入れることによって――やっぱり補償交渉で最も難しいところだとお伺いしております――職員のスキルアップがなされているということがありましたけれども、積極的に交渉していただいて、計画に遅延がなくこの事業が進められるよう要望して、終わります。以上です。 ◆秋田恵 委員 私は、10款3項5目都心地区整備事業費のうち、川崎駅周辺総合整備事業費に関連して伺います。市民の方々が事故なく安全・安心に往来しやすいまちづくりが非常に重要という観点から、一問一答にて御質問いたしますので、各局各課、御答弁のほどよろしくお願いします。  川崎駅周辺総合整備事業費は、令和元年度予算額2,708万円余、決算額2,611万円余であり、川崎駅周辺地区のまちづくりについては、平成28年3月に川崎駅周辺総合整備計画が改定され、順次再開発などが進められております。本計画の中には、再開発の推進に加え、回遊性の向上や交通環境の整備などがまちづくり基本施策として掲げられており、駅東西の回遊性については、誰もが安全・安心に往来しやすく、にぎわいのあるまちづくりを推進することとされています。まず初めに、川崎駅西口大宮町地区では、本年5月にホテルメトロポリタン川崎が開業し、引き続き、来年の春にはオフィス棟の竣工が公表されておりますが、この開発による新たな人の流れについて伺います。また、どのような交通手段での来場を想定しているのか、併せて伺います。 ◎沖山浩二 拠点整備推進室担当課長 川崎駅西口大宮町A−2街区の開発事業についての御質問でございますが、本事業につきましては、JR東日本が進める開発事業で、令和2年5月にホテルメトロポリタン川崎が先行開業し、令和3年春にオフィス棟が開業すると公表されております。開発に際しましては、環境影響評価の手続が実施されており、その中で、新たに平日は約1万6,000人、休日は約6,000人の施設利用者が見込まれております。また、交通機関の分担につきましては、オフィスやホテルは比較的鉄道利用が多く、商業やサービス施設は徒歩、自転車での利用が多くなることが想定されております。以上でございます。 ◆秋田恵 委員 オフィスやホテルへの来場は鉄道を中心とした交通手段による来場、商業施設やフィットネス施設へは徒歩や自転車での来場が予想されているとのことです。そこで、幸区と川崎区をつなぐ県道川崎町田の大宮町南交差点における交通量について、開発後の想定を伺います。 ◎沖山浩二 拠点整備推進室担当課長 大宮町南交差点についての御質問でございますが、開発後に市道大宮町202号線から大宮町南交差点に流入する自動車交通量につきましては、平日ピーク16時台で時間当たり180台、休日ピーク16時台で時間当たり241台の想定となっております。また、開発後の市道大宮町202号線の歩行者交通量につきましては、平日ピーク9時台で時間当たり488人、休日ピーク16時台で時間当たり461人の想定となっております。以上でございます。
    ◆秋田恵 委員 大宮町南交差点は、交通量が多く、安全対策等が重要になると考えます。また、本市では、自転車活用を掲げていることから、川崎駅周辺総合整備事業に関連して、自転車通行環境整備について建設緑政局へ伺います。川崎駅周辺の小川町地区においては、令和元年度に取り組まれた市内初となる地下機械式駐輪場が今年4月に開業いたしました。また、最近では、自転車等を利用した宅配業者をよく見かけるようになるなど、自転車の利用がますます増加することが考えられます。新しい生活様式として自転車の活用が推奨されるなど、自転車と歩行者の安全性と回遊性のさらなる向上が求められているところです。特に、幸区大宮町から川崎区日進町に抜ける県道川崎町田では、平成27年度の道路交通センサスによると、ピーク時には1時間当たり500台以上の自転車が通行していると伺っております。現地の状況を実際に確認してみたところ、幅員の狭い歩道内を多くの自転車が通行していることから、歩行者との接触事故などのトラブルが発生する可能性があると考えます。そこで、自転車通行環境の整備計画の位置づけと、これを踏まえた県道川崎町田の今後の安全対策について、建設緑政局自転車利活用推進室へ伺います。 ◎中田智之 建設緑政局自転車利活用推進室担当課長 自転車通行環境整備についての御質問でございますが、自転車の通行環境整備につきましては、本年2月に策定した川崎市自転車活用推進計画の基本政策に位置づけ、自転車、歩行者、自動車が道路を安全・安心、快適に利用できる環境の創出を目指して計画的に整備を進めているところでございます。県道川崎町田につきましては、歩道上で自転車と歩行者がふくそうしている状況が見られることなどから、これまでも歩道に路面標示や看板による注意喚起を行うなどの対策を実施してきたところでございます。大宮町地区での開発事業や新型コロナウイルスに伴う社会変容などにより、さらに自転車や歩行者が増えることが見込まれることから、今後も現地の状況を注視しながら、自転車活用推進計画に基づき、安全対策を進めてまいります。以上でございます。 ◆秋田恵 委員 また、交差点の所在地は幸区になります。交差点付近におけるごみの不法投棄について、過去の例と現在の状況について、幸区役所道路公園センターへ伺います。 ◎小松正 幸区役所道路公園センター整備課長 ごみの不法投棄についての御質問でございますが、当該交差点付近の不法投棄につきましては、毎年約5件ほどの不法投棄があり、その都度幸区役所道路公園センターにて撤去しております。現在、不法投棄防止策として不法投棄注意看板の設置や道路植栽の早期伐採などを行っておりますが、今年度は6月と8月で計2件の不法投棄があり、早期に撤去したところでございます。以上でございます。 ◆秋田恵 委員 迅速に御対応いただいており、植物の成長頻度も確認しながら早期の街路植栽を伐採いただくなど、区民感覚といたしましても丁寧に管理をいただいていると感じるところです。当該県道は、JRの高架を境に川崎区と幸区で区をまたいでおりますが、川崎駅西口開発等、今後のにぎわい創出に伴う回遊性等の向上により、さらに交通量が増加することが考えられます。歩道における安全性を確保していくことにしっかりと取り組んでいただく必要があると考えますが、区境における安全対策の考え方について、再度幸区役所へ伺います。 ◎小松正 幸区役所道路公園センター整備課長 歩道における安全性の確保についての御質問でございますが、川崎駅西口開発に伴い、県道川崎町田の歩行者などの交通量の増加が見込まれることは、川崎区及び幸区とも認識しておりますので、歩道幅員を確保するための適正な植栽管理や、自転車への注意喚起を図る路面標示を設置するなど、安全・安心に通行できるよう両区で連携して対策を行ってまいります。以上でございます。 ◆秋田恵 委員 次に、駅東西の回遊性向上に注目した場合、安全・安心な往来だけでなく、連続したにぎわいのあるまちづくりも非常に重要であると考えます。そこで、大宮町地区最後の整備が予定されている緑化用地について、現在の取組状況をまちづくり局へ伺います。 ◎沖山浩二 拠点整備推進室担当課長 緑化用地の取組状況についての御質問でございますが、当該緑化用地につきましては、川崎駅西口大宮町地区地区計画において緑地として位置づけ、隣接するA−2街区の工事進捗等を踏まえながら、今後、整備を予定する約1,000平米の用地でございます。現在の取組状況につきましては、地区の特性を踏まえた質の高い公共サービスの提供を目指し、民間のアイデアやノウハウ等を最大限に活用するため、本年3月及び8月に本市PPPプラットフォームセミナーにおいて、民間事業者と意見交換等を実施し、今後の事業者公募に向けて検討を進めているところでございます。以上でございます。 ◆秋田恵 委員 民間事業者との意見交換を実施されているとのことですが、単なる緑化整備だけでは、ごみの不法投棄なども心配されます。緑化用地の整備に際しましては、にぎわいを連続させることで回遊性を高めていくことが重要であり、積極的な民間事業者の知識と経験を活用することが求められます。改めまして、今後の取組の方向性についてまちづくり局へ伺います。 ◎沖山浩二 拠点整備推進室担当課長 今後の取組の方向性についての御質問でございますが、緑化整備の基本的な考え方につきましては、地区計画に定める潤いある都市生活の実現に向けた緑化の整備に加え、併せて本市の広域拠点にふさわしい多様なにぎわいや交流を生み出す都市機能の導入を行い回遊性を高めることで、本市の玄関口にふさわしい都市型の緑地整備を推進することとしております。また、整備に当たりましては、民間事業者のアイデアやノウハウを最大限に活用することとし、より質の高い維持管理についても幅広く検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆秋田恵 委員 各局各課、ありがとうございました。最後に要望を2点、意見を申し上げます。大宮町南交差点を含む県道川崎町田は、JR線、京急線、各鉄道の高架や歩道橋、横断歩道もあり、交通量も多いことから、昨今の自転車道整備を鑑みた車道と歩道の整備を含め、総合的な安全対策を各局各課へ強く要望いたします。区境になりますので一層の連携が必要と考えます。あわせて、年度を越えた長期的な連携を要望いたします。また緑化用地の整備に関しましても新たな取組を期待いたしまして、私の質問を終わります。以上です。 ◆月本琢也 委員 私は、通告どおり2問質問させていただきます。  まず、10款3項5目、新百合ヶ丘駅周辺まちづくり推進事業費について伺います。令和元年度は、横浜市営地下鉄3号線延伸に伴う新百合ヶ丘駅を設計していくための基礎調査が実施されました。調査の中では、新百合ヶ丘駅を中心に交通結節機能や交通処理能力がまとめられ、今後の検討のたたき台となるケースが例示されています。令和12年完成予定の横浜市営地下鉄3号線の延伸ですが、将来人口推計からすると、この令和12年が麻生区の人口のピークであり、人口減少に転じ、高齢化率が加速していく時期になります。そこで、右肩上がりの時代に設計された新百合ヶ丘のまちから新しい時代の始まりに生まれ変わっていくわけですが、今回は基礎調査になっていて、これからは本格的な検討が進められます。本市はSDGs未来都市であり、くしくも令和12年はSDGsの目標年次でもあり、新百合ヶ丘が核となって新しい川崎市の流れをつくっていくと言っても過言ではありません。そこで、新百合ヶ丘駅周辺まちづくりにSDGsの考え方をどのように反映させていくのか、見解を伺います。 ◎塚田雄也 企画課長 新百合ヶ丘駅周辺のまちづくりについての御質問でございますが、本市は、令和元年度にSDGs未来都市に選定され、川崎市SDGs未来都市計画の基本目標を安心のふるさとづくり、力強い産業都市づくりとして、持続可能な社会の実現に向け、経済、社会、環境の3つの側面の取組を進めることとしております。新百合ヶ丘駅周辺につきましては、横浜市高速鉄道3号線の延伸を契機と捉え、鉄道や路線バスなどの公共交通の機能の強化を進めるとともに、新たな技術を活用した公共交通の利用促進を図ることなどにより、3つの側面の一つである環境に資する取組を進めてまいります。また、ペデストリアンデッキを中心に、ユニバーサルデザインによる誰もが歩きやすいまちづくりを進めることなどにより、SDGsにおける社会に資する取組を推進するなど、SDGsが目指す17の目標を意識しながら、広域拠点にふさわしいまちづくりに取り組んでまいります。以上でございます。 ◆月本琢也 委員 ありがとうございます。計画どおり地下鉄が延伸すれば、令和12年が本当に区切りのスタート、まさに新百合ヶ丘がその象徴的なまちになってくるのかと思うのですが、続きまして、新百合ヶ丘の駅周辺のまちづくりは、ハード面だけでなくその背景には100年先を見据えたソフト面の考え方が必要になります。昨年から、新百合ヶ丘エリアマネジメントコンソーシアムのように、地権者をはじめとした事業者の皆様が活動されている考え方をしっかり盛り込んでいく必要があります。また、昨年度から、あさお希望のシナリオプロジェクトが始まり、市民の皆様に様々な議論をいただいているところです。今後、北口を含め、新百合ヶ丘全体のまちづくりを検討されるようになりますから、ハード面だけでなく、場合によっては交通規制を踏まえたソフト面での検討も必要になると思います。そこで、協議組織や同プロジェクトの取組をどのようにまちづくり方針に反映させていくか、伺います。 ◎塚田雄也 企画課長 まちづくり方針についての御質問でございますが、新百合ヶ丘駅周辺におきましては、地域の企業等が連携した新百合ヶ丘エリアマネジメントコンソーシアムが設立され、駅周辺の公共空間を活用したマルシェやステーションピアノなどの取組が行われており、当駅周辺のポテンシャルを生かしたにぎわいの創出に貢献いただいているところでございます。駅周辺のまちづくりにつきましては、こうした取組が、地域に根差し、より一層活発に行われることが大変重要であることから、区役所等と連携を図りながら、ハード、ソフト両面からの検討を進めるとともに広く市民の皆様の御意見を伺いながら、令和3年度のまちづくり方針の策定に向け、取り組んでまいります。以上でございます。 ◆月本琢也 委員 ありがとうございます。今御紹介いただいたマルシェとかステーションピアノは、新百合ヶ丘に非常にマッチしているアイデアだなと思いますし、これから本当に地域の皆さんの創発というところなので、こういったところは生かしていただければと思います。10年先から、新百合ヶ丘のまちは、麻生区全体の人口減少が始まってしまいますから、意識変革、様々な構造の転換が図られた上で、未来をリードしていきたいと、そんなまちにできればと思っております。そのためにも、ただいま企画課長の答弁に地域に根差したという言葉がありましたけれども、そのハード、ソフト両面から全ての市民を残さない、SDGsの目標のここの部分も多分含まれてくると思いますので、そういった取組を進めていただくことを要望いたします。また、もう1点要望を申し上げるんですが、これはほかの局が所管する部分が大半だと思うんですけれども、この10年の先に新しいまちづくりを進めていく中でも、山積している課題も新百合ヶ丘はたくさんございます。デッキ下のハトのふんの問題も、対策は取り組んでいただいているんですけれども、なかなか、ハトが入り込んじゃったりとか、あと、喫煙所についてですけれども、これも厚生労働省の健康局長の通知による部分では、見直しが必要になってくる課題が実際あります。スロープを撤去した後で喫煙所を移動したんですけれども、今この通知には則していないものになっていますので、これは多分市民文化局との連携も必要になると思うんですが、そういったところも、これは道路公園センター等でも検討していかなければいけないのかなと思います。以前、水景施設も改善をしていただいていますけれども、10年後のまちづくりの詳細を皆さんのほうで示していただいた段階で、速やかに関係局と対応を図っていただきますよう、要望申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。  次は、公共施設の工事契約についてでございます。国土交通省、財務省、総務省が行った入札契約適正化法に基づく状況調査によりますと、全国の国、特殊法人、地方自治体の全ての競争入札の不調、不落率は7.9%で、政令指定都市平均が8.8%ということでございました。本市の財政局が所管している全入札の不調率は全平均とほぼ同じで7.9%でしたので、政令指定都市の平均よりは下回っているのかなと思います。工事の中で不調になっているもののうち、衛生工事の部分が散見をされるわけでございますが、衛生工事の不調理由の傾向について伺います。 ◎佐々木朗子 施設整備部担当課長長寿命化推進担当〕 衛生工事における入札不調についての御質問でございますが、衛生工事を含む建設業全体の傾向として、職人や現場代理人などの高齢化や、新たな担い手が育たないなどの人材不足が大きな課題であると認識しております。また、本市公共工事の発注の傾向として、学校の夏休み期間を活用した校舎再生、トイレ改修などの工事の発注が年度末から年度当初に集中しており、かつ、受注した場合、現場代理人等が夏休みを含む長期間、当該現場に拘束されることから、入札に参入する工事を慎重に選定しているものと考えられます。本市といたしましても、できる限り不調を減らせるよう、引き続き、発注時期の分散化の検討や業者へのヒアリングを行うなど、その原因の解明と対策に努めてまいります。以上でございます。 ◆月本琢也 委員 ありがとうございます。なかなか人材不足というのは衛生工事に限らず建築工事等でも言われているところでございますし、今その原因解明のために不調になったところについてヒアリングをかけて調査をしていただいているということでございます。学校現場のように、どうしても時期が限定されていくものは集中してしまうのかとは思うんですけれども、今回、まちづくり局の施設計画課が窓口となっている入札案件は各局に散らばってありますけれども、この窓口となっている入札案件のうち2度の入札不調だったものが3件ございます。このうち南生田小学校ほか1校体育館改修及び会議室等新築衛生その他設備工事というのは、ほかのものと違って3度目の入札が行われておりませんでした。当該工事についての対応について伺います。 ◎佐々木朗子 施設整備部担当課長長寿命化推進担当〕 南生田小学校などの衛生工事への対応についての御質問でございますが、当該学校の工事につきましては、分離分割発注により建築工事、電気工事、衛生工事に分けて実施を予定しており、衛生工事で行う給排水管の布設後、建築工事である南生田小学校ほか1校体育館改修及び会議室等新築その他工事において、会議室棟を新築する計画としておりました。しかし、3回目の入札結果を待ってから衛生工事に着手した場合、会議室棟が工期内に完成できなくなり、卒業式の開催など学校運営に大きな支障を来すことから、やむを得ず契約済みであった建築工事の契約変更を行い、不調となった衛生工事の内容を含めて実施することとしたものでございます。以上でございます。 ◆月本琢也 委員 ありがとうございます。私も図面を見せていただきながら御説明もいただいてきたので、工事の進捗と、どうしてもなかなか難しいというところについては一定理解をしたところでございまして、建築工事の契約変更で対応されたということでございますけれども、学校の休暇期間中に工事を実施しなければいけないという理由は今申し上げたように一定理解はできます。しかしながら、入札の形態を取っている工事について、別の工事の契約変更で対応するという点については、その手法に疑問が残ります。入札不調に伴って別の工事の契約変更で対応した事例がこれまであれば、実績をお聞かせください。また、そもそもこのような対応を図った根拠をお聞かせください。 ◎佐々木朗子 施設整備部担当課長長寿命化推進担当〕 入札不調への対応についての御質問でございますが、初めに、別の工事の契約変更で対応した事例につきましては、まちづくり局が発注した工事の過去3年間の入札不調案件を確認したところ、事例はございませんでした。次に、不調への対応につきましては、不調が続いた場合においても、市内経済の活性化や市内中小企業の受注機会の確保に向け、分離分割発注を原則としておりますが、今回の事例につきましては、施設管理者とも協議を行い、工期内に完成させる必要があったため、様々な対応方法を検討した結果、やむを得ず契約変更で対応したものでございます。以上でございます。 ◆月本琢也 委員 ありがとうございます。今回の決算、2度の不調で、学校施設であることから行事との関係でやむを得なかった事由ということは理解をするんですが、しかしながら、入札案件を契約変更で対応したという実績を1つつくってしまったということについては、あまりいいことではないですし、その事実が一人歩きをしてしまうことによって、今回は施設管理者との協議、いろんな角度から協議をされてきて、そういった不正な形とかそういうふうには受け止められないものでもございました。ただ、この事実を一つ取った場合、今後これが起こり得る可能性があるのかなと思うので、この事実が一人歩きをしないための対策を講じていくべきだと思うのですが、今後、これをもって、この対策についてどのようにお考えなのか。すみません、通告していなかったんですが伺いたいと思います。 ◎佐々木朗子 施設整備部担当課長長寿命化推進担当〕 この件に関しては、本当に施設管理者とも協議し、工期内にどうしても終わらせなければいけないということで、やむを得ず取った対策でございます。通常は、こういうことではなくて、やはり入札を繰り返して落札を待ってということになるんですけれども、できる限りというか、部内とか局内でもこういった事例が一人歩きしないように、よく検討しまして、基本的にはこの分離分割発注と、あとは入札にての決定ということで、徹底して情報共有も図っていきたいと考えております。以上でございます。 ◆月本琢也 委員 ありがとうございます。今後も原理原則をしっかりと、ということですが、ただ、一番初めに御答弁いただいたような昨今の事情からすると、2回不調になる事例が年間3件あって、ほかの所管のところ、財政局が所管していないところでは、ほかにも多分出てきているわけですから、なかなかうまく皆さんの思いどおりにいかないところもあるかなと思います。今回のこの契約変更の記録は、普通公文書の保存期限は多分10年とかで定まっていると思いますが、これをしっかりと残していただいて、あってはいけない、あまりあってほしくないんですけれども、あったときにはこの事例を参考にして、一人歩きして変な形にならないよう、本当に誤解を招かないように今回のポイントをしっかりと整理をし、記録を残していただいて、今後特段の事情という名目で乱用されることのないように対応していただくことを要望申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。 ○市古次郎 会長 以上でまちづくり局関係の議案の審査を終わります。  ここで、理事者の退室をお願いいたします。    〔理事者退室〕 ○市古次郎 会長 次に、その他でございますが、委員の皆様から何かございますでしょうか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕 ○市古次郎 会長 それでは、以上で本日のまちづくり分科会を閉会いたします。                 午後0時24分閉会...